はじめての方におすすめの熊野古道ルート3選 | はじめての熊野古道 なかへち はじめての方におすすめの熊野古道ルート3選

昔の人が歩いた巡礼の道。険しいルートもありますが、普段山歩きをしていない方でも歩きやすいコースがあります。はじめての方におすすめの3選を紹介します。

所要時間は、ゆったりと景色も楽しんだり、会話をしながら歩いた時の目安です。
語りべさんと歩くと、立ち止まって説明を受ける時間が増えたり、人数によってはゆっくりの方に合わせたりするので、1.5〜3倍ほど時間がかかることもあります。ゆとりを持ったスケジュールにするのがおすすめです。

【難易度:★★★】2時間:滝尻王子〜高原熊野神社しっかり登った後は、尾根を森林浴しながら歩けるコース。

滝尻王子〜高原熊野神社(定期観光バスAコース

熊野古道を歩いたという達成感を得られるコース

聖域の入り口、滝尻王子からスタートします。しっかりと歩いたと満足できるコースです。1kmで300m登る熊野古道の中でも難所と言われる上り坂からはじまります。思わず、どこまで続くのかなと見上げてしまう急斜面。一歩一歩踏みしめながら、自分のペースで登っていきましょう。ゆったりと登って1時間ほど、歩数にして2200歩の斜面が続きます。ごろごろとした岩の階段を登る道です。道幅が狭いところは少ないので、人と行き交うのも気になりません。休憩もとりやすく、自分のペースで休み休み登れます。

ごろごろと岩の登りがゆっくり登って1時間ほど続きます。

アトラクションにも挑戦!

登りはじめて10分ほどすると、「乳岩」や「胎内くぐり」の岩たちが迎えてくれます。乳岩は岩から滴る乳と狼の優しさに赤ちゃんが守られたと伝えられて、お乳がでないことに悩んだ人たちも訪れたとか。「胎内くぐり」は蘇りの地熊野らしい岩。安産にもご利益があるそうです。胎内くぐりは本当に抜けられるの?と不安になりますが、足の運びを考えるとうまく抜けられます。

胎内くぐり、ぜひチャレンジしたいですね。

四季を感じさせてくれる植物

登りが終わると緩やかな尾根が続きます。ここまで登ってきたという満足感や尾根のひらけた雰囲気にホッとします。植物の美しさや落ち葉の香りを感じる余裕が出てきたら、ぜひ周りを見渡して自然を感じてみてくださいね。
→ 熊野古道で楽しめる植物についてはこちら

尾根道を歩くのはとても気持ちいい。

中辺路町で最も古い神社

真っ直ぐと歩いていくと、ゴールは高原熊野神社(たかはらくまのじんじゃ)。中辺路で最も古い神社です。南方熊楠の保護運動により守られた神社としても知られています。神社の横手にある大きなクスノキも一見の価値あり。水害の時に折れた1本から、樹齢800年を超えていることがわかりました。太い幹から威厳を感じます。また上を見上げると宿木も見られます。

高原熊野神社。

休憩所からの景色に癒されます

高原熊野神社から数分、集落に入ってすぐのところにある霧の里高原休憩所からは、果無(はてなし)山脈の稜線、段々に重なる田んぼの風景を目にすることができます。ベンチや休憩所がありますので、お弁当を持参して食べるのも良いでしょう。自動販売機はありますが、食事を購入できる場所は少ないです。

到着地から、出発地への移動は?

滝尻王子には紀伊田辺駅などから路線バス「熊野本宮線」で「滝尻王子」下車。高原からは「栗栖川」バス停が最寄りです。「栗栖川」バス停からは「紀伊田辺方面」へ戻るか、「熊野本宮大社方面」に向かうことができます。
語りべさんと一緒に歩く定期観光バス(Aコース)もぜひご利用ください。

動画で見る滝尻王子〜高原熊野神社

【難易度:★☆☆】1時間:牛馬童子口(牛馬童子像)〜近露王子熊野古道の雰囲気を味わいつつ、気軽に歩けるコース

牛馬童子口〜近露王子(定期観光バスBコース

熊野古道の“お姫さまコース”

「ちょっと熊野古道を体験したい」。「中辺路に来たから、ついでに熊野古道でも」。そんな方におすすめなのが、牛馬童子口から近露王子に向かうコースです。登りは、最初の階段だけ。階段を登ってすぐのところに、熊野古道のシンボル的存在「牛馬童子」の像を見ることができます。
牛馬童子口から近露王子までの全長は約1.5km。最後は、石段の下り坂なので、雨の日は滑らないようにお気をつけください。

上りですが、緩やかな上りなので歩きやすいです

牛と馬にまたがりおわすのは・・・

牛と馬にまたがるのは、花山法皇の旅姿と言われていますが、他にも説があるようです。農耕の神様だったり、熊野古道歩きの祈願に建てられた像だったり。はっきりとした記録が残っていないところも熊野古道の魅力なのかもしれません。想像が広がります。

「牛馬童子」像。思いのほか小さい!?

見晴台から見えるのは「嬉しい村」

心地よい木漏れ日を受けつつ木立の中を歩いていくと、あっという間にコースの最後、見晴台が現れます。昔の旅人は、いよいよ熊野本宮大社が近づいてきたという思いで眺め、近露(ちかつゆ)の集落のことを「嬉しい村」と呼んだそうです。東屋には机とベンチが設置されています。少し休憩をしてゴールを目指しましょう。

山間部にありながら、開放的な集落です。

共に生きる精神がここにも!

石の階段を下り、橋を渡れば近露王子。神社合祀により統合され、今は近露王子跡として石碑が置かれています。木々に囲まれた優しさををいただける場所です。6月には、巨木に共生するセッコクランが花を咲かせます。

無事に旅を終えたことに感謝して合掌。

のどかな宿場町を堪能できます

近露は、昔から本宮手前の宿場として多くの人で賑わった集落です。ここで一泊してから熊野本宮大社を目指しました。現在でも、古民家を利用したカフェや民泊がたくさんあります。
荷物がたくさんある場合は、「熊野古道荷物当日配送サービス(予約制)」も便利です。語りべさんと一緒に歩く定期観光バス(Bコース)もぜひご利用ください。

到着地から、出発地への移動は?

スタートの牛馬童子口には、紀伊田辺駅からの路線バス「熊野本宮線」に乗り「牛馬童子口」で下車。ここには道の駅「熊野古道中辺路」牛馬童子ふれあいパーキングがあり、地元のお土産などが購入できます。
ゴールの近露王子から、本宮方面に向かうなら「近露王子」バス停で乗車。紀伊田辺方面に向かうなら、近露の集落を散策しつつ、お土産屋さん近くにある「古道歩きの里ちかつゆ」バス停まで歩くのもおすすめです。

動画で見る牛馬童子口〜近露王子

【難易度:★★☆】3時間:発心門王子〜熊野本宮大社景色の変化を楽しみながら、クライマックスを味わえるコース

発心門王子〜熊野本宮大社

おいしいとこどりコース

発心門王子は、五体王子の1つです。ここから先が熊野本宮大社の神域とされています。地元の小学生が遠足で歩くコースです。ウォーミングアップになりそうな、舗装された緩やかな下り坂から始まります。熊野本宮大社を目の前にし、その有り難さに伏して拝んだとされる伏拝王子、旧社殿の跡地に建てられた大鳥居を臨める展望台など、見どころが満載です。熊野本宮大社に向かうクライマックスの7kmを歩ける人気のコースです。

木々の中に静かに佇む「発心門王子」。

熊野古道のそばで営まれる人々の暮らし

集落と旅人とを見守ってきた道端のお地蔵さん、段々に整えられた茶畑など、人々の営みが熊野古道のすぐそばにあることが実感できます。熊野古道は、日々の生活道でもあります。

綺麗に整備された茶畑が広がります。
腰痛を直してくれると言われるお地蔵さん。

有難すぎる光景に・・・

コースのちょうど真ん中ぐらいに位置するのが伏拝(ふしおがみ)王子。京都を出ておよそ300kmの道のりを歩いてきた旅人が、ここから見える熊野本宮大社の有難さに伏して拝んだと言われています。熊野本宮大社は、明治時代の水害により移築されたので、現在の社殿は見えません。山のすそ野の白っぽく見えるところに当時の社殿がありました。

伏拝王子から見た熊野本宮大社社殿跡。

中辺路と小辺路の合流地点

しばらく歩くと、高野山から熊野本宮大社に続く小辺路(こへじ)との合流地点があります。そこに、旅人たちが一服したと言われる「三軒茶屋跡」。「右かうや 左きみい寺」「左本宮道」と掘られた当時の石碑が残っています。1つの分岐点として通行料を集めていたとされる「九鬼ヶ口関所」も復元されています。

小辺路から見た側面には、「左本宮道」と刻まれています。

必ず寄りたい展望台

「ちょっとより道」と案内されている展望台からは、社殿跡地に建てられた大斎原がのぞめます。手のひらに大鳥居を乗せた写真など映える写真が撮れますよ!ここまで来るとゴールまでもう少し。江戸時代に作られたと言われる石の階段を下りて、祓戸(はらいど)王子を過ぎると熊野本宮大社に到着です。

春夏秋冬それぞれに見応えのある景色が広がります。

スタート地点への移動と帰り道

紀伊田辺駅からの「熊野本宮線」の最終地点が「発心門王子」です。手前の「発心門口」で降りてしまわないようにご注意を。
紀伊田辺方面には、路線バス「熊野本宮線」で「本宮大社前」から「紀伊田辺駅」行きにご乗車ください。